8月の漢字「盆」


8月も中旬になると、日本ではお盆休みに入る会社が多くなります。この「お盆」とは、8月13日に迎え火を焚いてご先祖様の霊をお迎えし、16日に送り火を焚いてあの世にお送りする風習です。

お盆の時期には、ご先祖様が浄土から地上に戻ってくると考えられていて、年に1回、家にお迎えし、共にひと時を過ごしてご冥福をお祈りし、先祖の霊を供養する期間となっているのです。そう考えると、お盆は単なるお祭り事ではなく、れっきとした宗教行事、読み方は同じでも、「祀り事」の一種である、といえるでしょう。

そのクライマックスの15日には、あちこちで盆踊りが行われ、盛大にご先祖様と一緒に過ごす最後の夜を締めくくります。かつては夜通し行われることもあったとされる盆踊りですが、さすがにそんな地域はおそらくどこにもありませんし、ここ数年は、特にコロナ禍の影響もあって、盆踊り自体を控える傾向もあるようです。

お盆が過ぎれば、季節は秋に向かって少しずつ暑さ和らいでいきます。突然の豪雨や、前例のない猛暑日など、気候の変動も著しい昨今ですが、今年の夏はどうでしょうか。

お盆の時期、風鈴の音でも聴きながら、しばしご先祖様とご一緒に心を鎮め、ふたたび来るあわただしい日常に向かって、ゆっくりと気持ちを整えて参りましょう。