6月の漢字「紫」


この1週間は、良く晴れていて、とても過ごしやすい気候でした。今日は6月6日。昨日から天気が崩れていて、いよいよ神戸も梅雨入りなのかな、と思わせる天気となっています。

さて、梅雨といえば、アジサイが咲く季節です。すでに街角では少しずつ咲き始めていますが、ピークはこれから。もっともっと、目に飛び込んでくるようになることでしょう。

アジサイは、漢字では「紫陽花」と書きます。この由来は唐時代にさかのぼります。詩人の白楽天が、友人からある花の名前を尋ねられ、彼が詩の中で、「陽光に映える紫色の花なので、紫陽花とでもしておこう」と詠んだことにより「紫陽花」という言葉が生まれたとされます。ところが、白楽天が生きていたころの中国には、現代のアジサイはまだなかったというのです。違う花の名前を表す漢字だったんですね。

実際には、太陽のあまり当たらない季節によく咲き、輝きを増す花であるアジサイですが、その色とりどりに咲く花の集まりは、雨に濡れる街並みと、少しじめっとした私たちの心を、晴れやかな気持ちへといざなってくれるように思います。「紫陽花」の花と、雨に濡れた緑の葉、そこにカタツムリ。この季節の主役たちを眺めながら、穏やかな心もちで、雨の季節を過ごしていきたいものです。